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経験者に聞くアカデミアから民間企業へのキャリアチェンジ

プロテインテックが開催した若手研究者向けのワークショップから、注目のQ&Aをピックアップして紹介します。

企業へのキャリアチェンジは簡単ではありません。特に、どのようなキャリアの選択肢があるかも知らず、希望するポジションに合わせてレジュメをブラッシュアップする方法がわからない場合はハードルが高くなります。National Postdoc Appreciation Week 2022を記念して、プロテインテックはキャリアワークショップ「Transitioning from Academia to Industry」を開催しました。このワークショップでは、民間企業への応募で差がつくレジュメ作成のポイントやプロテインテックの職種紹介に加え、現役社員が参加者の疑問に直接回答するQ&Aセッションも実施しました。

プロテインテックは研究者の皆様を対象にしたウェビナーを定期的に開催しています。
日程や詳細はEvents(ptglab.com)をご覧ください(言語:英語)。
 

 

動画:Transitioning from Academia to Industry(言語:英語)

このパネルディスカッションでは素晴らしい質問が多数寄せられました。本稿では、その中から特に皆様と共有したいQ&Aを紹介します。

皆様の疑問に私たちがお答えしました!

パネルディスカッションに参加したプロテインテックの従業員

Afrida Rahman-Enyart博士 Tara Little博士 Jacob Culver博士 Laura T. Brown博士

Afrida Rahman-Enyart博士

Scientific Liaison
(サイエンス・リエゾン)

Tara Little博士

Mid-Atlantic Account Manager
(中部大西洋地域アカウントマネージャー)

Jacob Culver博士

Senior Scientist
(シニア・サイエンティスト)

Laura T. Brown博士

Technical Account Manager
(テクニカルアカウントマネージャー)

Q1:自分に向いている職種をどう判断しましたか?進路の選択で悩んでいます。

Laura:何らかの職に就くからといって、『これが一生の仕事だ』と最初から思い詰める必要はありません。実際にそうなるケースは非常に稀です。大抵はエントリーレベルの職務からスタートし、社内外の様々な人々と交流を深めていきます。様々な職務に就いている人々をよく観察し、具体的な業務内容や、それぞれのポジションでどのような業務が付随するのか把握しましょう。そうすれば、ステップアップを見据えた挑戦に必要な自己研鑽を計画的に進めることができます。一般的に、プロテインテックが体現するような企業文化を持つ会社であれば、個人のキャリア開発の取り組みを全面的に支援してくれるでしょう。

Afrida:私は、現在の担当ポジションを目指してエントリーしたわけではありませんでした。別の職種に応募したのですが、面接の中でサイエンス・リエゾンのポジションを紹介され、適性があるのではないかと勧められました。彼らの見立ては完全に正解で、この仕事に出会えて本当に良かったと思っています。面接でプレゼンテーションや人との対話が得意だとアピールしたところ、彼らはサイエンス・リエゾンのポジションを打診してくれました。多くの場合、まずはきっかけを作って、誰かと話をすることからすべてが始まります。業界に存在する今まで知り得なかった職種や、企業側で需要があるものの募集をかけていないポジションがあることを教えてくれるかもしれません。

Afrida:Culver博士の場合はいかがでしたか?ラボにいた時から進路を決めていましたか?応募職種は研究職に限定していたのでしょうか?

Culver:はい、私は基本的に研究職のポジションだけを探していました。博士課程在籍時はラボで実験すること自体は好きでしたが、研究費の獲得競争や書類作業、既存の組織体制、給与面等の構造については問題があると思っていました。そのため、企業の研究職に進もうと考えていました。

 

Q2:プロテインテックにおける現在の業務を通じて、成長やキャリアアップを実現できると感じられますか?

Tara:とても実感できます。プロテインテックは、組織の成長に伴い従業員も一緒にステップアップできる非常に良い環境にあります。私は、次の役職へ昇格してマネジメント業務を担うにはどうするべきか、頻繁に上司と対話を重ねています。

Culver:この点については、面接の際に自分からも率直に質問しオープンに話し合いました。私はポスドクを経験することなくアカデミアを去りましたが、自己研鑽が可能で新たなスキルを獲得できるポジションを希望していました。幸いなことに、プロテインテックはまさにそのような環境を提供してくれました。

 

Q3:民間企業での就業経験がない研究者にとって、アカデミアから企業へのキャリアチェンジはどの程度ハードルが高いものでしょうか?企業の募集条件には実務経験を求めるケースが多いように感じます。

Tara:私の場合は、まったく苦労せずキャリアチェンジに成功しました。ポジションごとに差があると思うので一概には言えませんが、アカデミアと民間企業の大きな違いは、時間的なゆとりが生じ、収入がアップするという点です。この変化にはどちらもすぐに適応できました!

Afrida:アカデミアの環境では、民間企業の採用選考における自己PRの手法を学ぶ機会がありません。私が思うに、それがアカデミアから民間企業へのキャリアチェンジの障壁となっているのではないでしょうか。レジュメや履歴書に習得スキルを効果的に記載して強みを巧みにアピールできるのであれば、キャリアチェンジはそこまで困難ではないと思います。多くの場合、アカデミアでの質の高い経験を選考で十分に伝えることができれば、実務経験がない点はさほど重要視されないでしょう。

 

Q4:アカデミアから民間企業へのキャリアチェンジに年齢制限はありますか?

Tara:年齢制限はまったくありません。何歳からでもキャリアチェンジは実現できます。年を重ねているということは、他の応募者よりも経験豊富という強みがあるといえるでしょう。

Afrida:アカデミアにもあてはまりますが、民間企業では経験や専門性の高さが重要視されます。アカデミアでキャリアを重ねてから民間企業へ転向する場合、それまでに経験した年月は無駄にはなりません。むしろ、その年月は経験年数としてカウントされます。何年にもわたりアカデミアで研鑽したスキルを、今後どのように活かせるかアピールすることを心がければ大丈夫です。

 

Q5:民間企業の人事評価は、どのような仕組みになっているのですか?

Tara:私は営業部門に所属しているため、担当エリアにおける前年比の売上成長率が評価指標となります。

Afrida:具体的な評価基準は職種によって異なります。一般的には、直属の上司と面談して、年度末までに達成したい目標について話し合います。この面談で設定した目標を達成できたか否かは、パフォーマンス評価の大きなウェイトを占めます。私はイベントやウェビナーを数多く企画・担当しているため、プロテインテックというブランド認知度の向上が評価項目の1つになっています。

 

Q6:民間企業での雇用はどの程度安定していますか?

Laura:概して、民間企業の仕事はアカデミアでの仕事よりも多少は安定していると言えるでしょう。何故なら、申請しても毎回容易に獲得できるわけではない研究資金のための書類作成に追われ、研究費の獲得競争に明け暮れる必要もないからです。また、民間企業に就職すれば、他の職種にチャレンジしたりキャリアアップできる機会が得られます。つまり、現在のポジションを足がかりにしてさらなるキャリア形成を図ることができます。

 

Q7:入社前から、採用のきっかけになるようなプロテインテックとの接点はあったのですか?

Tara:プロテインテック関係者に知り合いはいませんでしたが、過去に研究でプロテインテックの抗体を利用していたことがありました。製品について詳しく知っていたことは面接の過程で大いに役立ちました。

Culver:強いて接点を挙げるとすれば、学位論文の研究でプロテインテックの製品を使用していたことくらいです。

Afrida:TaraさんやCulverさんと同様に、従業員の方に入社前からの知り合いはいませんでした。私もラボでプロテインテックブランドの抗体を使用していたため、製品に関する知識がありました。

 

Q8:民間企業とアカデミアのワークライフバランスの違いはありますか?特に子育て世代の親にとってはどのような環境でしょうか?

Tara:実際に母親になるのはこれからですが、今年後半には第一子を迎える予定です。営業職のワークライフバランスは極めて良好だと思います。ホームオフィスで仕事する時間が多く、大抵は宿泊を伴う出張等の予定も数か月前から決まっています。大部分のスケジュールを自分でコントロールできるので、日中に通院の予約を入れたり、他の用事を済ませるためのすきま時間を容易に確保できます。スケジュールの融通が利くので、平日の勤務時間帯に用事を済ませたい場合は、早朝や夕方、週末の空いた時間を使って仕事を少し進めておくことができます。大学院時代に既に子育てをしていたクラスメートがいましたが、現在の職場の同僚に比べてスケジュール調整にはるかに苦労していたように見えました。プロテインテックで多くのワーキングマザーが活躍していることは是非とも伝えておきたいポイントで、理想的なワークライフバランスを間違いなく実現できると思います。

Afrida:個人的には、アカデミアよりも民間企業の方が働く親が直面する問題に配慮があると感じます。もちろん、勤務する会社にもよりますが、プロテインテックは保育園等への子供の送迎が必要な場合でも、勤務時間について柔軟に対応してくれます。有給休暇も十分に付与されており、折に触れて数日間の休みを取っては息子と過ごしています。

 

Q9:PI(研究室主催者)が民間企業への転向に消極的な姿勢の場合、PIの代わりにシニア研究者やスタッフ研究者を推薦人として起用することは可能ですか?

Afrida:仕事や研究の現場であなたをよく知る人物であれば、誰でも推薦人に立てることができます。ですから、もしPIを推薦人に起用しない場合もまったく問題ありません。よくあることですので、企業の採用担当者が違和感を抱くことはないでしょう。誰であれ、あなたの価値を高く評価し、太鼓判を押してくれる人物を起用しましょう。

Tara:現在営業職の採用に関わる立場としては、日頃から密接に仕事をしている相手であれば推薦人に指定してもまったく問題ないと思います。応募者の中には、面接の過程で単刀直入に『PIは昔ながらの考え方をする研究者なので、民間企業への転向に対して非協力的です』と自己申告するケースもありました。我々が事前にそのことを把握できていれば、選考プロセスの過程でそのPIに連絡しないよう配慮できます。そのような場合は事情を包み隠さず伝えると良いと思います。もしPIを推薦人に指定しないなら、そのことを事前に採用側企業に伝えておくのが良いでしょう。Afridaさんが指摘したようにアカデミアではよくあることなので、採用担当者が困惑したり問題視したりすることはありません。

 

Q10:『アカデミアから民間企業へ転向しようと思ったのは何故ですか?』という質問にはどう回答すべきでしょうか?

Laura:採用担当者の方次第です。中には単刀直入な担当者もおり、『給与アップが目的です』というストレートな本音の回答を期待している場合もあります。とはいえ、多くの場合は『環境に変化を求めていました』、『他の人々を支える存在になりたいからです』、『アカデミアの環境が自分にとってベストではありませんでした』等の方向性で回答すると良いでしょう。多分、その方が無難です。

Afrida:理由を多少曖昧な表現で伝えることには賛成ですが、誠実に対応するよう留意しましょう。『アカデミアの職場環境は私には向いていませんでした』等のように伝えれば、多くの人々はそのおおよその意味を理解してくれるはずです。

Culver:私からのアドバイスは、回答にポジティブなニュアンスを持たせるということです。つまり、『アカデミアを離れたい』と話すのではなく、民間企業へ転身する前向きな志望動機について話してみましょう。例えば、『博士課程を通じて学びたいことを学んだので、今度は培ったスキルを民間企業で活かしたいと思い応募しました』等と言い換えてみましょう。基本的には、1つの同じ事実であってもポジティブな面に注目して『アカデミアを去ることができて嬉しい』ではなく『ここで働き始めることが嬉しい』というニュアンスで、ポジティブな印象を与えるよう意識すると良いと思います。

Tara:私にとっては純然たる本音だったのですが、定番のようにいつもこう伝えていました。『私はラボでの実験も博士課程の研究も楽しかったのですが、最も魅力を感じたのは学会等で各地を訪れたり、様々な人々と対話することでした。そのため、今後は大好きな活動に100%専念できる職種に就きたいと考えています』。この様に発言することで、よりポジティブな印象を残すことができます。

 

民間企業への転職に興味を持たれた方は、プロテインテックの求人募集(ptglab.com)も参考にご覧ください。
どのような役割や働き方があるのか、より具体的にイメージできるかもしれません。

 

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