優れた科学抄録の書き方

抄録とは、研究プロジェクトの主要な事実を記述した文章です。


抄録の技術を習得することは、特定の分野であなたの研究の視認性を高め、あなたのキャリアの将来を保証するために不可欠です。アカデミックなキャリアを通して、様々なプロジェクトを網羅し、幅広い聴衆を対象とした多くの抄録を執筆します。この場合、練習を完璧にして、あなたが専門家になるための足掛かりとしている各抄録を扱います。抄録の重要性も見逃さないでください!多くの場合、ジャーナルの編集者や学会の主催者は、何百もの抄録を読まなければならないので、研究を際立たせるために、抄録に、すべての重要かつ必要な詳細が明確に簡潔に含まれていることが非常に重要です。このブログでは、研究論文や会議の抄録の書き方をご紹介します。

抄録が重要な理由は?

  • 自分の研究の実施に役立つ
  • 複雑な情報を明確かつ簡潔に示すのに役立つ
  • 詳細な報告内容をデータベース検索用の短いフォーマットに要約するのに役立つ
  • 将来の出版や助成金申請のために、自分の業績の概要を提示するのに役立つ

抄録に必要な条件:

  • 情報が充分であること(自分の研究の簡単な概要)
  • よく説明がなされていること(研究目的、プロジェクトの目的、適用された分析方法論など)
  • 批判的であること(主要な研究成果と制限が記述されていること)
  • フォーマルな言葉で書かれていること
  • 学会抄録は150~1000語で記述すべき(学会主催者が示す語数に制限すること)

抄録を書く:ステップ・バイ・ステップのプロセス

抄録を書く際には、長々とした説明をするのではなく、適切な量の情報を含むようにしなければなりません。抄録の順序は重要です。ですから、読者が自分の研究の各側面を論理的な順番で追っていけるような順序を選びましょう。提示されるデータから、回答されていない問いが生まれるかどうか、常に自問自答することを忘れないようにしましょう。

図1.抄録のフォーマットを整える

抄録に含まれる事柄は?

1. 緒言: 「主題は何か?」 トピック、目的、リサーチクエスチョンを説明する導入的な文を1~2文書きます。研究背景は必要ですが、結果よりも深く掘り下げるべきではありません。

2. 材料および方法: 「どのように研究を行い、結果を出したのか?」 研究手法を1~2文で記述してください(これには、使用しているデータ解析の種類も含まれるかもしれません)。

3. 結果: 「なぜこれが重要なのか?発見は何か?」 結果/知見を説明する文を12文書きます。

4. 考察と今後の課題: 「自分の研究プロジェクトとその影響に関して、聴衆に届けたいメッセージは何か?」 結論および強みを含む文を1~2文書きます。結論は、あなたの研究分野に対する自分の研究の貢献です。

最後のヒント: 最後に、自分の抄録を誰かほかの人に読んでもらうと非常に有用です。可能であれば、同僚にフィードバックをお願いします。

覚えておいてください - 抄録は、学会の採択過程に重要なだけでなく、自分の将来の業績記録のためにも不可欠です。良いタイトルと抄録があれば、論文自体を読んでくれる人が増えることになるでしょう(図2)。

図2.良い抄録は、より多くの人をあなたの研究に巻き込むことにつながります。

力強い抄録を書くための至極のヒント

  1. 学会の抄録ガイドラインに従います。抄録を書き始める前に、学会の個別のガイドラインを確認します。これには、含めるべきサブセクションや字数制限などが記載されています。多くのガイドラインは、あまりにも細かすぎるように見えるかもしれませんが、あなたの仕事はそれらすべてに基づいて判断されますので、すごく面倒な規定(フォントサイズ、間隔、測定単位など)も無視してはなりません。

  2. 標準的または要求された構成を守ります。学会のガイドラインに抄録の構成についての規定が示されていない場合は、従来の形式に従います(図1.ステップ・バイ・ステップのプロセス)。

  3. ガイドラインで規定されている場合を除き、参考文献は含めません。これにより、字数制限の範囲内に留め、抄録を視覚的に読みやすくすることができます。

  4. 聴衆に合わせて抄録を調整します。抄録を書く際には、常に聴衆のことを意識する必要があります。つまり、「誰が抄録を読むのか?」、 「ターゲットとする聴衆の専門知識レベルはどのくらいか?」、「抄録に出てくる可能性のある固有の専門用語や略語について、聴衆はどの程度理解しているか?」といったものです。例えば、政策の問題に焦点を当てた学会において、政策と関連付けずに臨床問題を強調した抄録を提出したとします。この場合、あなたのプロジェクトは採択されない可能性があります。

  5. 専門家としてコミュニケーションを行い、フォーマルな言葉を使用します。完全な文章を作り、句読点を適切に使用し、要点をまとめることによって、混乱を招かないようにします。

  6. 簡潔に、キレの良い文章にします。長文だと読み手の集中力が切れてしまいます。

  7. 好奇心を掻き立てるようにし、陳腐な表現は避けます。結論は簡潔に述べ、誇張した表現は避けます。

  8. 要点をタイトルで表現します。抄録で何を言おうとしているのかを、聴衆の推測に委ねてはいけません。シンプルでパワフルなタイトルは聴衆に好印象を与え、聴衆がポスターの残りの部分を読んでくれたり、自分の口頭発表を含むセッションを選んでくれるようになります。タイトルは誰もが最初に読む文章です。あまりにも長くしないようにします。さもないと、読者を退屈させたり、混乱させたりするかもしれません!

  9. 自分の研究がなぜ重要なのかを伝えましょう。あなたの仕事の影響力を広い視点から説明してください。「そもそもなぜその研究が行われたのか?」を書きましょう。

  10. 聴衆に届くメッセージを入れます。ここが、抄録の中で最も重要な部分です。なぜなら、あなたのプロジェクト全体について人々が記憶に残す唯一の部分かもしれないからです。


 

著者:Karolina Szczesna博士

プロテインテック社シニアプロダクトマネージャー兼テクニカルサポート

Blog

Posted:
1 November, 2017

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