アフィニティ精製

アフィニティ精製は、細胞ライセート、細胞培養上清、血清等の複雑な生体分子の混合物からタンパク質を濃縮・精製する技術です。 目的のタンパク質は、アガロースビーズ等の担体に連結した抗体やVHH(Nanobody®)等のリガンドに結合させて精製します。

一般的に、組換え体として発現する目的タンパク質に予めペプチドタグやタンパク質タグを融合させることで、タグに対して特異的かつ可逆的に結合するアフィニティ樹脂を用いた精製法を利用することができます。 組換え体をアフィニティ樹脂に結合させた後、アフィニティ樹脂と競合的に結合するペプチド等の分子を使用した競合的溶出、あるいは単にpHやイオン強度等のbuffer条件を変更することによる組換え体の溶出によって、濃縮されたタンパク質を得ることができます。

多くの場合、アフィニティ精製は、バッチ精製またはアフィニティクロマトグラフィー(アフィニティ樹脂を充てんしたカラムを使用する精製法)によって実施されます。

VHH(Nanobody®)は、高い選択性と高い頑健性を兼ね備えているため、アフィニティ精製に特に適しています。 VHH(Nanobody®)は、安定性が極めて高く、極端なbuffer条件でも機能を維持できるため、厳しい洗浄条件(例:界面活性剤、低pH、塩濃度)の適用や、結合レジンの5回以上の再生利用が可能です。 したがって、VHH(Nanobody®)を利用したNano-Cap™シリーズは、アフィニティ精製に最適なツールです。

Purification of Spot-tagged GFP with Spot-Cap from HEK293T cell lysate in gravity flow column format. Elution 1-6: 6 fractions à 2 CVs Spot-peptide (100 μM) in PBS.

Spot-Tag®融合タンパク質の精製(溶出方法:Spot-peptide、4℃)