CoraLite® (コーラライト)/CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素
あなたの発見を照らす、新たな蛍光色素
CoraLite® Plusシリーズの蛍光色素は、独自の親水性技術である「SuperHydrophilic™ dPEG®」を利用して開発された、優れた明るさと高い光安定性を示す先進的な蛍光色素です。
免疫蛍光染色
CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素標識済み一次抗体は、優れたシグナル/バックグラウンド比を提供し、高感度な免疫蛍光染色(IF)実験を実現します。
すべての免疫蛍光染色用CoraLite®(コーラライト)標識抗体はこちらをご覧くださいフローサイトメトリー
フローサイトメトリー検証済みCoraLite® Plus(コーラライトプラス)標識一次抗体は、広範囲の波長をカバーし、柔軟かつ簡便なマルチプレックス(多重)化とパネル構築に利用できます。
すべてのフローサイトメトリー用CoraLite®(コーラライト)標識抗体はこちらをご覧ください抗体標識キット
FlexAble(フレクサブル)抗体標識キットは、CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素が結合したリンカーを用いて、あらゆるサプライヤーの一次抗体をわずか10分間で蛍光標識します。
FlexAble(フレクサブル)抗体標識キットの詳細はこちらをご覧ください蛍光観察アプリケーションの向上のために、革新的技術を「プラス(+)」して新開発された「CoraLite® Plus(コーラライトプラス)」
CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素は、優れた生体適合性と高い水溶性を実現する超親水性の「SuperHydrophilic dPEG® 」基の技術を導入して、化学的に設計・開発された新たな蛍光色素です。この技術の導入によって、明るさと光安定性が他に類を見ないほど改善しました。CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素は、一般的に広く用いられているAlexa Fluor®蛍光色素と同等のスペクトル特性を有しています。
CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素は、優れた蛍光シグナルを提供するため、貴重なサンプルや存在量の少ない標的タンパク質の蛍光標識や染色実験に有効です。CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素で標識した一次抗体は、非特異的結合を最小限に抑えるとともに、良好なシグナルノイズ比(S/N比)をもたらします。そのため、蛍光イメージング、フローサイトメトリー、ウェスタンブロット等の蛍光観察アプリケーションにおいて、高い蛍光強度と特異性を示す結果を得ることができます。
CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素のスペクトル特性
蛍光色素 |
励起波長 (nm) |
蛍光波長 (nm) |
モル吸光係数 (cm-1 M-1) |
互換性のある色素 |
---|---|---|---|---|
CoraLite® Plus 405 | 399 | 422 | 35K | Alexa Fluor® 405 |
CoraLite® Plus 488 | 493 | 522 | 73K | Alexa Fluor® 488, FITC |
CoraLite® Plus 555 | 554 | 570 | 150K | Alexa Fluor® 555, Cy3, DyLight® 550 |
CoraLite® Plus 647 | 654 | 674 | 250K | Alexa Fluor® 647, Cy5, DyLight® 650 |
CoraLite® Plus 750 | 755 | 780 | 240K | Alexa Fluor® 750, Cy7, DyLight® 755 |
dPEG®とは?
PEG化(PEGylation)とは、蛍光色素をはじめとする様々な分子に対して、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を共有結合的に化学修飾するプロセスを指します。PEGで修飾された分子は、流体力学的容積が増加し、水溶性と安定性が向上および改善されます。「dPEG®(discrete PEG)」は、定められた数のエチレンオキシド単位を有するPEG分子です。したがって、サイズや分子量にばらつきがある従来のPEGとは異なり、鎖長や鎖状、分子量、純度を明確に規定することができます。従来のPEG分子のように形状や分子量に違いがあると、立体障害の発生や、結合部位または作用部位等への影響が生じやすくなり、修飾分子の活性が著しく損なわれる場合があります。
従来の「CoraLite®(コーラライト)」と新規の「CoraLite® Plus(コーラライトプラス)」の異なる点とは?
従来型のスルホン酸化色素誘導体である「CoraLite®(コーラライト)」を標識した抗体も幅広く取り揃えています。これまでのCoraLite®(コーラライト)と新規のCoraLite® Plus(コーラライトプラス)で主に異なる点は、色素骨格にdPEG®分子が含まれるかどうかです。CoraLite® Plus(コーラライトプラス)は、dPEG®分子を含み、輝度と光安定性がさらに向上しています。
CoraLite®(コーラライト)とCoraLite® Plus(コーラライトプラス)は、互いに互換性があり、同等の励起/蛍光スペクトルを示します。いずれの色素もAlexa Fluor®色素と類似の特性を示します。

CoraLite® Plus(コーラライトプラス)蛍光色素による抗体標識の利点
生体分子のカップリングに脂肪族リンカーや疎水性リンカーを使用する生体共役反応は、リンカーアーム間の非特異的相互作用が原因となり、最終産物に問題が生じる場合があります。「SuperHydrophilic dPEG®」テクノロジーは、特異的な相互作用を高めることに寄与し、最終標識産物の品質を著しく改善します。
従来型色素標識抗体

- 低い標識度(DOL:Degree of labeling)
- 蛍光色素が近接することによって生じる消光現象が起こりやすくなります(dye-dye quenching)。
- 標識工程や保管時に凝集や沈殿を生じやすい傾向にあります。
- 標識分子同士や標識分子自体の非特異的結合が問題となる場合があります。
- 高いバックグラウンドを生じる場合があります。
CoraLite® Plus(コーラライトプラス)標識抗体

- 高い標識度(DOL:Degree of labeling)
- 蛍光色素が近接することによって生じる消光現象は発生しにくい傾向にあります。
- 標識分子が凝集・沈殿しません。
- 標識分子同士や標識分子自体の非特異的結合が生じにくい傾向があります。
- シグナル/バックグラウンド比が向上します。
dPEG®テクノロジーの適用によって従来型色素の標識効率と明るさも向上します。
「SuperHydrophilic dPEG®」テクノロジーは、負電荷を減少させ親水性を高めることで、従来型色素の特性を強化します。その結果、一般的に使用されているFITC、Pacific Blue™、Texas Red等の色素であっても標識度(DOL)の値が高くなり、明るさが著しく増強します。
FITCとFITC Plus間の標識度(DOL)の比較

- dPEG®を含むFITC Plus標識抗体は、従来のFITC標識抗体よりも高い標識度(DOL)を示します。
FITCとFITC Plus間の相対量子収率の比較

- 異なる標識度(DOL)レベルの抗体のそれぞれの相対量子収率(明るさ)を求めると、FITC Plus標識抗体は、従来のFITC標識抗体よりも非常に高い相対量子収率を示します。
フローサイトメトリー用の一般的な蛍光色素も取り扱っています。
- 「Atlantic Blue™(アトランティックブルー)」は、Pacific Blue™に相当するスペクトル特性を有します。
- 「Cardinal Red™(カーディナルレッド)」は、Texas Red®に相当するスペクトル特性を有します。
色素 |
励起波長 (nm) |
蛍光波長 (nm) |
モル吸光係数 (cm-1 M-1) |
互換性のある色素 |
---|---|---|---|---|
Atlantic Blue™ | 404 | 458 | 19K | Pacific Blue™ |
FITC/FITC Plus | 495 | 524 | 76K | Alexa Fluor® 488 |
PE | 566 | 574 | 1,960K | Alexa Fluor® 555, Cy3, DyLight® 550 |
Cardinal Red™ | 592 | 611 | 80K | Alexa Fluor® 594, Texas Red® |
APC | 650 | 661 | 700K | Alexa Fluor® 647, Cy5, DyLight® 650 |
CoraLite® Plus(コーラライトプラス)標識抗体は、各種アプリケーションで優れたパフォーマンスを発揮します。

CoraLite® Plus 488標識MAP2抗体(カタログ番号:CL488-17490、希釈倍率1:200)を使用したラット脳組織(4% PFA固定)の免疫蛍光染色解析像。赤:CoraLite®594 GFAP抗体(カタログ番号:CL594-16825)。青:DAPI(核)。

CoraLite® Plus 488標識G3BP1抗体(カタログ番号:CL488-13057、希釈倍率1:200)を使用した、HeLa細胞(亜ヒ酸ナトリウム処理、4% PFA固定)の免疫蛍光染色解析像。赤:CL594-Phalloidin(カタログ番号:PF00003)。

ヒト腎臓の免疫蛍光染色。使用組織:PPFE(ホルマリン固定パラフィン包埋)ヒト腎臓切片。黄色:FlexAble CoraLite® Plus 555 Kit(カタログ番号:KFA002)で標識したCalbindin抗体(カタログ番号:14479-1-AP)。マゼンタ:FlexAble CoraLite® Plus 647 Kit(カタログ番号:KFA023)で標識したACE2抗体(カタログ番号:66699-1-Ig)。緑:CoraLite® Plus 488標識Podocalyxin抗体(カタログ番号:CL488-18150)。青:DAPI(核)。

HeLa細胞ライセートのWB(ウェスタンブロット)。緑:FlexAble CoraLite® Plus 555 Kit(カタログ番号:KFA002)で標識したGAPDH抗体(カタログ番号:10494-1-AP)。赤:FlexAble CoraLite® Plus 647 Kit(カタログ番号:KFA023)で標識したNUDT21抗体(カタログ番号:66335-1-Ig)。

様々なライセートのWB解析。異なるライセートをSDS-PAGE後、CoraLite® 594標識Beta actin抗体(カタログ番号:CL594-66009、希釈倍率1:1000)を使用して、室温で1.5時間インキュベーションした。

HeLa細胞ライセートのWB解析。異なるライセートをSDS-PAGE後、CoraLite® Plus 488標識IDO1抗体(カタログ番号:CL488-66528、希釈倍率1:1000)を使用して、室温で1.5時間インキュベーションした。

PBMCのフローサイトメトリー:1X10^6個のPBMC細胞(ヒト末梢血単核細胞、human peripheral blood mononuclear cells)を、FlexAble CoraLite® Plus 405 Kit(カタログ番号:KFA026)で標識したヒトCD3抗体(クローン番号:UCHT1、カタログ番号:65151-1-Ig、0.5μg)で染色した。

PBMCのフローサイトメトリー:1X10^6個のPBMC細胞の細胞膜表面を、FITC標識ヒトCD45RO抗体、CoraLite® Plus 405標識ヒトCD45RA(クローン番号:F8-11-13、カタログ番号:CL405-65226、5μl)、またはマウスIgG1アイソタイプコントロール抗体で共染色した。細胞:固定処理なし。リンパ球領域をゲーティングした。

PBMCのフローサイトメトリー:1X10^6個のPBMC細胞の細胞膜表面を、PE標識ヒトCD3抗体、CoraLite® Plus 750標識ヒトCD4抗体(カタログ番号:CL750-65134、クローン番号:OKT4、5μl)、またはマウスIgG2bアイソタイプコントロール抗体で共染色した。細胞:固定処理なし。リンパ球領域をゲーティングした。
関連情報
細胞を並べて流路に乗せる―フローサイトメトリー技術を最大限に活用しましょう
フローサイトメトリー技術を活用できるアプリケーション、解析データの見方、結果の解釈や読み方等を含む基礎的・応用的内容を紹介します。
Alexa Fluor®は、Thermo Fisher Scientific Inc.(旧Life Technologies Corporation)社の登録商標です。
DyLight®は、Thermo Fisher Scientific Inc.社およびその関連会社の登録商標です。
Pacific Blue™は、Thermo Fisher Scientific Inc.(旧Molecular Probes, Inc.)社の商標です。
dPEG®は、Quanta Biodesign, Ltd.社の登録商標です。