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エンドソーム選別の司令塔:タンパク質輸送におけるCommander複合体の役割

Kincaid Ingram博士著(英国Bristol大学、博士研究員、専門:エンドソーム生物学)


細胞表面に存在する膜内在性タンパク質の動態(代謝回転)は、エンドサイトーシスによる除去プロセスによって制御されています。細胞膜に存在するタンパク質は、生合成経路やエンドソームリサイクル経路を介して新たに供給されます。エンドソームリサイクル機構は、エンドソームネットワークにおける膜内在性タンパク質の選別過程を制御しています。エンドソームリサイクル機構には複数のシステムが存在し、それらの関連遺伝子の変異は神経変性疾患などの疾患に関与しています。

本稿では、一連の機構の中でもCommander複合体に注目し、エンドソームのCommander複合体の立体構造を解明したCollins博士・Cullen博士らの共同研究1を紹介します。この研究では、X線結晶構造解析・クライオ電子顕微鏡法(cryo-EM)・AlphaFold2(タンパク質立体構造予測モデル)・GFP-Trapによる免疫沈降法といった互いに補完しあう一連のタンパク質構造解析技術・生化学的手法を採用してCommander複合体の高次構造モデルを導き出し、検証を実施しています。

本稿は論文「Structure of the endosomal Commander complex linked to Ritscher-Schinzel syndrome」に基づき執筆されました。

 

Commander複合体による細胞膜のタンパク質再供給の制御機構

栄養素の検知と輸送・取込み、細胞間情報伝達、遊走等の細胞機能が正常に働くには、細胞膜プロテオームが維持されていなければなりません。細胞表面に存在する膜内在性タンパク質の正確な時空間的制御は、生合成経路・エンドリソソームネットワークという2種類の基幹経路に依存します(図1)。細胞はこれらの経路を統合することで細胞表面に存在するタンパク質を制御し、生理学的要求の変化に応答・適応しています2。これらの経路の破綻は細胞に悪影響を及ぼす可能性があり、神経細胞の機能障害との関連性が報告されています3,4。

細胞膜プロテオームを維持するタンパク質生合成&リサイクル機構図1. 細胞膜プロテオームを維持するタンパク質生合成&リサイクル機構
膜内在性タンパク質はエンドサイトーシスを介して細胞表面から除去されます。タンパク質の再供給は生合成経路やエンドリソソームネットワークを介して行われます。細胞表面プロテオーム動態の制御は、細胞遊走、細胞間情報伝達、栄養素の検知等の様々なプロセスで極めて重要な役割を果たします。

膜内在性タンパク質とそれに関連する脂質類(積荷分子)は、細胞膜からエンドサイトーシスによって取り込まれ、エンドサイトーシス小胞内に移行します。このような細胞膜周辺部におけるエンドサイトーシス小胞の同型融合は初期エンドソーム形成を引き起こし、このエンドソームは後期エンドソームへと段階的に成熟します。これらエンドソーム区画において、積荷分子はリソソームによる分解か、細胞膜やその他の細胞小器官への回収かのいずれかの運命を辿ります(図2A)。エンドソーム選別機構はこの積荷分子の回収経路を制御しており、アミノ酸配列に基づく積荷分子の認識と、積荷分子をエンドソームから他区画へ運搬する一連の膜リモデリング現象とを連携させています。Retromer複合体やCommander複合体をはじめとする様々な機構が積荷分子を認識・回収し、積荷分子はリサイクルプロセスに備えエンドソームの回収サブドメインに局所的に集積されます5-7(図2B)。

エンドリソソームネットワーク機構図2. エンドリソソームネットワーク機構
(A)膜貫通型タンパク質(積荷分子)は分泌経路を介して細胞膜表面に移行します。細胞膜から新たに取り込まれた積荷分子は、エンドサイトーシス小胞に内包されます。これらのエンドサイトーシス小胞は融合して初期エンドソーム(EEs)を形成します。EEsはエンドリソソームネットワークを通じて後期エンドソーム(LEs)に成熟し、最終的に内包する分子の分解を担うリソソームになります。分解対象の積荷分子は内腔小胞(ILVs)にパッケージングされますが、積荷分子が細胞膜(PM)やトランスゴルジネットワーク(TGN)に回収された場合はリソソーム内での分解が回避されます。(B)エンドソーム選別機構は積荷分子を回収サブドメインへ動員します。積荷アダプタータンパク質であるSNX3やSNX27はRetromer複合体と、SNX17はCommander複合体とそれぞれ協調して働き、積荷分子を集積します。配列依存的な積荷分子の認識と膜リモデリングの機構が連動し、積荷分子を管状小胞輸送体へ内包してエンドソーム外に搬出します。
CCC:COMMD・CCDC22・CCDC93複合体、DENND10:Differentially expressed in normal and neoplastic cells-containing protein 10、EEs(early endosomes):初期エンドソーム、ILVs(intra-luminal vesicles):内腔小胞、LEs(late endosomes):後期エンドソーム、PM(plasma membrane):細胞膜、SNX(sorting nexin):ソーティングネキシン、TGN(trans-Golgi network):トランスゴルジネットワーク。

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SNX3

SNX27

SNX17

COMMD

CCDC22

CCDC93

 

Commander複合体を解明する:複合体のサブユニット構造

Commander複合体には16種類のサブユニットが存在し、Retriever複合体・CCC複合体の2種類のサブ複合体で構成されています。Retriever複合体はVPS26C・VPS35L・VPS29で構成されるヘテロ三量体で、別のエンドソームリサイクル複合体であるRetromer複合体と遠縁ながらも相同性を有しています8。Retromer複合体はVPS26AまたはVPS26B・VPS35・VPS29で構成されるヘテロ三量体です。CCC複合体は12のサブユニットからなり、COMMD(Copper metabolism MURR1 [Mouse U2af1-rs1 region 1] domain)ファミリーに属する10種類のタンパク質(COMMD1~COMMD10)と、CCDC22・CCDC93というコイルドコイルドメインを有する2種類のタンパク質で構成されています。DENND10(Differentially expressed in normal and neoplastic cells-containing protein 10)は、別名FAM45Aと呼ばれるCommander複合体の16番目のサブユニットです(図3A)。この複合体を構成するタンパク質の遺伝子変異はX連鎖知的障害(XLID:X-linked intellectual disability)9や、多系統発達障害であるRitscher-Schinzel症候群(RSS:Ritscher-Schinzel syndrome)を引き起こす原因になります10-14。

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VPS35L

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Commander複合体は数百種類に及ぶ膜内在性タンパク質のリサイクルを制御しています。Commander複合体によって選別されるα5β1インテグリンやアミロイド前駆タンパク質(APP)等の積荷対象分子の大部分には、ϕxNxx[YF]モチーフ(ϕ:任意の疎水性アミノ酸)が存在し、積荷分子アダプターであるSNX17(Sorting Nexin 17)によって認識・捕捉されてCommander複合体へ誘導されます8,15,16。

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APP

 

Healy博士・McNally博士・Butkovič博士・Chilton博士らの研究グループは、Commander複合体の完全な立体構造モデルを提示しています1。著者らは、AlphaFold2を用いて完全な複合体構造をモデリングし、X線結晶構造解析・クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)を用いて対象領域の精密な構造解析を実施しました。互いに補完しあう各種の構造解析技術を組み合わせることで、著者らは16種類のサブユニットからなる三次元構造を詳細に解明しました。著者らは以下の構造的知見を提示しています(図3B)。

  1. Retriever複合体は固有の構造的特徴を有する複合体を形成し、Retromer複合体とは異なる機能を発揮します。
  2. 10種類のCOMMDタンパク質は、5組の単独では存在できない二量体(obligate dimer)で構成されるヘテロ十量体リング構造を形成します。
  3. CCDC22・CCDC93のN末端領域はCOMMD十量体と広範に相互作用し、CCC複合体の安定化に寄与します。この2種類のCCDCタンパク質はRetriever複合体をCOMMD複合体のリング構造へ連結すると同時に、中心部のコイルドコイル構造を介してDENND10を動員します。

 

これらのデータによってCommander複合体の全容理解が進み、必須積荷分子のリサイクルに不可欠な複合体形成と機能に関する重要な知見が得られました。

Commander複合体のユニット構成
図3. Commander複合体のユニット構成
(A)Commander複合体の構成分子(B)Commander複合体の三次元構造
Commander複合体は16種類のサブユニットからなり、Retriever複合体とCCC複合体という2種類のサブ複合体で構成されます。Retriever複合体はVPS26C・VPS35L・VPS29からなるヘテロ三量体です。CCC複合体には、CCDC22・CCDC93と10種類のCOMMDタンパク質の合計12種類のサブユニットが存在し、DENND10はCommander複合体の16番目のサブユニットに位置づけられます(原著論文の図1A・6A参照)。CCC:COMMD・CCDC22・CCDC93複合体、CCDC(coiled-coil domain-containing protein):コイルドコイル含有タンパク質、COMMD:Copper metabolism MURR1 [Mouse U2af1-rs1 region 1] domain、DENND10:Differentially expressed in normal and neoplastic cells-containing protein 10、VPS:vacuolar protein sorting。
Retriever複合体の独自構造と機能

はじめに著者らは、Retriever複合体のサブユニット構成比が1:1:1(VPS26C:VPS35L:VPS29)であることを実証しました。ヒトRetriever複合体の組換えタンパク質を昆虫細胞で発現させ、目的タンパク質をアフィニティ精製とサイズ排除クロマトグラフィーによって単離しました。続いて、ネガティブ染色電子顕微鏡と2D/3Dクライオ電子顕微鏡のクラス分類によって、ヘテロ三量体が「フットプリント」状の配向をとることが識別されました。粒子がフットプリント配向に偏る傾向があったため、3D再構成に必要なデータは制限されましたが、信頼性の高いAlphaFold2モデルは低解像度の3Dクライオ電子顕微鏡データと良好に一致しました(図4A)。

AlphaFold2モデルの正確性を検証するにあたり、Healyらは予測された分子同士の相互作用界面に存在する重要なアミノ酸残基への部位特異的変異導入を実施しました。著者らはHEK293T細胞にGFPタグを付加した融合タンパク質を一過性に過剰発現させ、その後細胞を溶解し、プロテインテックの免疫沈降用ビーズであるGFP-Trapを用いて、GFP融合タンパク質をアガロースビーズに結合・濃縮しました。回収したタンパク質サンプルをSDS-PAGE(SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動)で分離し、ウェスタンブロットで目的タンパク質を検出しました。この免疫沈降(IP)実験を繰り返し、野生型タンパク質と変異タンパク質のそれぞれと共にプルダウンされた相互作用タンパク質を同定・比較しました。そして、一連のVPS35L・VPS29変異体を用いてRetriever複合体の構造モデルを精査し、予測される相互作用界面の正確性を検証しました(図4B)。

プロテインテックの関連アプリケーション:免疫沈降(IP)
                    ウェスタンブロット(WB)

VPS35Lは伸展したα-ソレノイド構造を有し、VPS26CのC末端領域、VPS29のN末端領域とそれぞれ結合します。VPS26CとVPS35L間の相互作用はVPS35Lの2番目と3番目のα-ヘリックスリピートがVPS26CのC末端側のβ-サンドイッチドメインに結合することによって形成されます。著者らは、この界面の直接的相互作用を解明するためにVPS35Lの点変異体を作製して実験を行い、野生型VPS35L-GFPを用いた免疫沈降によって、Retriever複合体の他の構成タンパク質(VPS26C・VPS29)やCCC構成タンパク質(CCDC22・CCDC93)との強固な相互作用が明らかになりました。それに対し、VPS26Cへの結合能はA285D点変異VPS35Lでは若干減少し、R293E点変異VPS35Lでは完全に消失していました(図4B)。特筆すべき点として、これらの変異体はCCC構成タンパク質への結合能を正常に維持していました。

Retromer複合体と比較すると、Retriever複合体にはVPS29との結合を促進しVPS29の機能を制御する2種類の独自の相互作用が存在します。1つめは、VPS29と接触するVPS35Lのβ-シート伸展構造による相互作用です。この結合領域が変異導入等によって構造的に乱れるとVPS29との相互作用は減弱しますが、一方でCCC複合体との結合は維持されます。2つめは、VPS29と接触するVPS35LのN末端伸展領域による相互作用です。この領域はシートベルトのようにVPS29を取り囲むことから「belt」領域と呼ばれ、複合体を安定化する働きがあります17(図4A)。belt配列に変異を導入すると、VPS29とCCC複合体双方との相互作用が消失します。

AlphaFold2で予測したモデルの検証

図4. AlphaFold2で予測したRetriever複合体の立体構造モデルの構造情報に基づく変異導入実験による検証
(A)Retriever複合体はVPS26C(緑):VPS35L(黄色):VPS29(赤)のヘテロ三量体です。低解像度3Dクライオ電子顕微鏡のエンベロープに高精度のAlphaFold2モデルを重ねあわせて図示しました。ヘテロ三量体において重要な役割を果たす結合面(ⅰ)~(ⅴ)は拡大表示しました(原著論文の図1B)。(B)GFP-Trapによる免疫沈降により、著者らはRetriever複合体の結合面を個別に特定・解析しました。HEK293T細胞に野生型または変異導入VPS35L-GFPを一過性に発現させ、細胞を溶解して免疫沈降を実施し、VPS35L-GFPを濃縮・回収しました。SNX27モデルはAlphaFoldデータベースから取得しました(UniProt AC:Q96L92)。VPS35L-GFPを含むRetriever複合体モデルはAF3を用いてモデリングしました。相互作用分子は、ウェスタンブロットで検出・確認しました。VPS35LとVPS26Cの結合領域はGFP-Trapを用いた免疫沈降法により検証しました(WB画像:論文より転載)。この実験では、プロテインテックの抗CCDC22抗体(カタログ番号:16636-1-AP)、抗CCDC93抗体(カタログ番号:20861-1-AP)を用いて、VPS35L変異導入がRetriever-CCC複合体の結合能に及ぼす影響を検証しました(原著論文の図1Cを改変)。AF:AlphaFold、AF3:AlphaFold3、SNX27:sorting nexin-27。

COMMDリングの高次構造の解明

クライオ電子顕微鏡を用いた構造解析により、ヒトCOMMDタンパク質がヘテロ十量体からなる特徴的な閉環状構造を形成することが明らかになりました。この環状構造は5組のへテロ二量体で構成され、正確に(COMMD1-6)-(COMMD4-8)-(COMMD2-3)-(COMMD10-5)-(COMMD7-9)の順序で連結しています。COMMDタンパク質の会合体はベーグル状(論文上の正式名称ではありません)の高次構造をとります。COMMドメインはベーグルのフィリングに相当する位置に存在します。N末端α-ヘリックス(HN)ドメインは、半分にスライスしたベーグルに具を挟んだような状態で、構造体の上下の表面に配置して構造体を挟み込んでいます(図5)。

CCDC22・CCDC93は、COMMDリングと広範囲にわたって相互作用しています。クライオ電子顕微鏡を用いた解析により、CCDCタンパク質のリンカー領域がCOMMDリング構造内部に入り込み交錯していることが明らかになりました(図5)。一連のデータは細胞内環境下でCCC複合体が厳密に十二量体として機能することを示唆しています。

クライオ電子顕微鏡によるCCC複合体構造

図5. クライオ電子顕微鏡によるCCC複合体構造
COMMD
リング構造は単独では存在できない二量体(Obligate dimers)が集合して構築されます。COMMDリングの内部にはCOMMドメインが存在し、HNドメインがタンパク質構造の上部と下部の表面を覆っています。CCDC93・CCDC22リンカードメインがタンパク質構造全体を取り囲むように巻きついているほか、CCDC93のCHドメインも観察されます(原著論文の図4A)。CCDC:coiled-coil domain-containing protein、CH:calponin-homology、COMMD:copper metabolism MURR1 [Mouse U2af1-rs1 region 1] domain、HN:α-helical N-terminal。

AlphaFold2と構造生物学的手法を用いたCommanderホロ複合体構造の解明

著者らはAlphaFold2モデルと実験データを統合し、16のサブユニットからなるCommander複合体の全体構造を構築しました。CCDCタンパク質は4カ所のコイルドコイル領域を有するヘテロ二量体を形成し、これらの領域は相互作用によって2つのV字型構造を形作ります。片方のV字構造の頂点領域にはDENND10が嵌合するように位置しています。CCDC22-CCDC93へテロ二量体の別の部位にはRetriever複合体とCOMMDリングが結合します。へテロ二量体は、VPS29が占有する領域の反対側にあるVPS35Lの進化的に保存された領域を介してRetriever複合体と相互作用します。CCDC22-CCDC93は広範囲にわたりCOMMDリングと結合し、前述のようにRetriever複合体とCOMMD複合体を繋ぎとめています(図3B)。

最後に、著者らはXLIDやRSS発症の原因となる変異がもたらす影響について調査しました。ミスセンス変異の大部分は、サブユニット同士の接触界面や重要な役割を担う構造要素が存在する部位に位置していました。評価した変異すべてにおいて、Commander複合体タンパク質の発現レベルが低下していました。それに加え、VPS35Lのフレームシフト変異や欠失変異の存在が認められました。これらの変異は相互作用領域の近傍に位置しており、VPS29との結合に影響を及ぼしました。特筆すべきは、このVPS35L変異が全体的な複合体形成には大きな影響を与えなかったという点です。

 

おわりに

エンドリソソームネットワークを介した輸送分子フラックスの時空間的制御は、細胞が機能を発揮するうえで極めて重要な役割を果たします。エンドソーム選別機構は、輸送分子がこのネットワークから搬出されるために欠かせない存在です。Commander複合体は多岐にわたる膜内在性タンパク質の回収プロセスを制御します。Commander複合体は、16種類のタンパク質ユニットからなる複合体で、Retriever複合体とCCC複合体という2種類のサブ複合体で構成されています。Commander複合体の機能は細胞の恒常性を維持するうえで欠かせない存在で、その変異は多岐にわたる発達障害と関連します。

Healy博士・McNally博士・Butkovič博士・Chilton博士らの研究グループはCommanderホロ複合体の包括的な構造や機能を解明した論文を発表しています1。著者らはin silico・in vitro・in celluloの各手法を用いて、Commander複合体構造を解析しました。一連のデータはCommander複合体の高次構造における、CCC複合体とRetriever複合体との分子レベルの結合機構を詳述しています。さらに本研究では、XLID(X連鎖知的障害)やRSS(Ritscher-Schinzel症候群)の原因変異の分子基盤を明らかにしています。

一連の発見は、その後の論文でさらに検証されており17,18、これら3報の知見も盛り込まれたレビュー論文が公開されています19。

 

プロテインテックの製品情報

今回紹介した論文には以下の製品が用いられました。

製品名

カタログ番号

GFP-trap

Gta

mCherry-trap(RFP-Trap)

Rta

CCDC22 Polyclonal antibody

16636-1-AP

CCDC93 Polyclonal antibody

20861-1-AP

COMMD1 Polyclonal antibody

11938-1-AP

COMMD5 Monoclonal antibody

67043-1-Ig

COMMD8 Polyclonal antibody

25237-1-AP

 

参考文献
  1. M D Healy, K E McNally, R Butkovič, M Chilton, et al. Structure of the endosomal Commander complex linked to Ritscher-Schinzel syndrome. Cell. 2023 May 11;186(10):2219-2237.e29.
  2. P J Cullen, F Steinberg. To degrade or not to degrade: mechanisms and significance of endocytic recycling. Nat Rev Mol Cell Biol. 2018 Nov;19(11):679-696.
  3. S A Small, S Simoes-Spassov, R Mayeux, G A Petsko. Endosomal Traffic Jams Represent a Pathogenic Hub and Therapeutic Target in Alzheimer's Disease. Trends Neurosci. 2017 Oct;40(10):592-602.
  4. M Herman, G W Randall, J L Spiegel, et al. Endo-lysosomal dysfunction in neurodegenerative diseases: opinion on current progress and future direction in the use of exosomes as biomarkers. Philos Trans R Soc Lond B Biol Sci. 2024 Apr 8;379(1899):20220387.
  5. A L Mallam, E M Marcotte. Systems-wide Studies Uncover Commander, a Multiprotein Complex Essential to Human Development. Cell Syst. 2017 May 24;4(5):483-494.
  6. K E McNally, P J Cullen. Endosomal Retrieval of Cargo: Retromer Is Not Alone. Trends Cell Biol. 2018 Oct;28(10):807-822.
  7. S Weeratunga, et al. Recognising the signals for endosomal trafficking. Curr Opin Cell Biol. 2020 Aug;65:17-27.
  8. K E McNally, R Faulkner, F Steinberg, et al. Retriever is a multiprotein complex for retromer-independent endosomal cargo recycling. Nat Cell Biol. 2017 Oct;19(10):1214-1225.
  9. I Voineagu, L Huang, et al. CCDC22: a novel candidate gene for syndromic X-linked intellectual disability. Mol Psychiatry. 2012 Jan;17(1):4-7.
  10. K Kato, Y Nishio, et al. The congenital multiple organ malformation syndrome, Ritscher-Schinzel syndrome is an endosomal recyclinopathy. medRxiv. 2024 Aug 19.
  11. K Kato, et al. Biallelic VPS35L pathogenic variants cause 3C/Ritscher-Schinzel-like syndrome through dysfunction of retriever complex. J Med Genet. 2020 Apr;57(4):245-253.
  12. S Otsuji, Y Nishio, et al. Clinical diversity and molecular mechanism of VPS35L-associated Ritscher-Schinzel syndrome. J Med Genet. 2023 Apr;60(4):359-367.
  13. A M Elliott, et al. A novel mutation in KIAA0196: identification of a gene involved in Ritscher-Schinzel/3C syndrome in a First Nations cohort. J Med Genet. 2013 Dec;50(12):819-22.
  14. M Kolanczyk, et al. Missense variant in CCDC22 causes X-linked recessive intellectual disability with features of Ritscher-Schinzel/3C syndrome. Eur J Hum Genet. 2015 May;23(5):633-8.
  15. R Ghai, A Bugarcic, H Liu, S J Norwood, et al. Structural basis for endosomal trafficking of diverse transmembrane cargos by PX-FERM proteins. Proc Natl Acad Sci U S A. 2013 Feb 19;110(8):E643-52.
  16. R Butkovič, et al. Mechanism and regulation of cargo entry into the Commander endosomal recycling pathway. Nat Commun. 2024 Aug 21;15(1):7180.
  17. D J Boesch, A Singla, Y Han, et al. Structural organization of the retriever-CCC endosomal recycling complex. Nat Struct Mol Biol. 2024 Jun;31(6):910-924.
  18. S Laulumaa, E-P Kumpula, et al. Structure and interactions of the endogenous human Commander complex. Nat Struct Mol Biol. 2024 Jun;31(6):925-938.
  19. N Leneva, O Kovtun. The commander complex is the Swiss Army knife of endosomal trafficking. Nat Struct Mol Biol. 2024 Jun;31(6):856-858.

 

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