ポリクロナール抗体VS.モノクローナル抗体

どちらのタイプも独自の長所と短所があり、幅広いアプリケーションに使用できます。


始めに

抗体は、免疫グロブリンと呼ばれる大きなY字型のタンパク質で、外来分子に遭遇したとこの適応免疫応答の一部として、B細胞によって、生成されます。抗体は、特定の配列であるエピトープに強い親和性があるため、さまざまなアプリケーションで目的の標的タンパク質を同定および検出するための研究に広く使用されています。利用可能な抗体アイソタイプのうち、研究にはIgGが最も一般的に使用されています。様々な研究ニーズに答えるために、科学者が利用できる抗体には、ポリクローナルとモノクローナルの2種類があります。 ポリクローナル抗体には、抗原全体に対するIgGの異種混合物が含まれていますが、モノクローナル抗体は、1つのエピトープに対する単一のIgGで構成されています。 (図1)

この記事の目的は、これら2種類の抗体の長所と短所の包括的な概要を示し、ユーザーがアプリケーションに最も適したタイプを選択できるようにすることです。

図1.A)ポリクローナル抗体は同じ抗原の異なるエピトープに結合する。B)モノクローナル抗体は標的抗原上の同じエピトープに結合する。

ポリクローナル抗体:利点と欠点

利点:

  • 安価で比較的早く生産できる(±3か月)。
  • 複数のエピトープが認識されるため、抗原に対する抗体全体の親和性が高くなる。
  • 量の少ないタンパク質を検出する感度が高い。
  • 標的タンパク質の捕捉能力が高い(サンドイッチELISAの捕捉抗体として推奨される)。
  • 抗体の親和性により、標的抗原への迅速な結合が可能(タンパク質の迅速な捕捉を必要とするアッセイ(IPまたはChIPなど)に推奨される)。
  • ネイティブタンパク質の検出に優れている。
  • 抗体ラベルとのカップリングが容易であり、結合能力に影響を与える可能性は低い。

欠点:

  • 異なる時期に異なる動物で産生される場合の、バッチ間の変動性。
  • 複数のエピトープを認識するため、交差反応性の可能性が高い(アフィニティー精製抗体の交差反応性は最低限)。

モノクローナル抗体:利点と欠点

利点:

  • バッチ間の再現性(高い均質性)。
  • 同一抗体の大量生産が可能(診断薬製造や治療薬開発に有利)。
  • 低い交差反応性に反映される、単一エピトープへの高い特異性。
  • タンパク質レベルの定量が必要なアッセイで、より感度が高い。
  • バックグランドノイズが低い。

欠点:

  • 生産コストが高い。複数のモノクローナル抗体のプールを生成することが必要。
  • ハイブリダイゼーションしたクローンの生産と開発には、かなりの時間が必要(±6か月)。
  • ラベル化時の結合変化の影響を受けやすい。

ポリクローナル抗体vs.モノクローナル抗体

この要約表は、2種類の抗体の5つの主な違いを示しています。

ポリクローナル抗体

モノクローナル抗体

特定の抗原に対して分泌される免疫グロブリン分子の混合体のこと。 血漿B細胞の単一クローンによって産生される抗体の均質な集団のこと。
血漿B細胞の異なるクローンによって産生される。 血漿B細胞の同一クローンによって産生される。
産生にハイブリドーマ細胞株は必要ない。 産生にはハイブリドーマ細胞株が必要。
異種抗体集団。 同種抗体集団。
同じ抗原上の異なるエピトープと相互作用する。 抗原上の特定のエピトープと相互作用する。

最後に

ポリクローナル抗体は、いくつかの異なる免疫細胞を使って作られます。ポリクロナール抗体は、同じ抗原の異なるエピトープに対して親和性を持ちます。一方、モノクローナル抗体は、特定の親細胞のすべてのクローンである同一の免疫細胞を用いて作られます。

単一のエピトープに特異的な同一の抗体を大量に必要とする治療薬開発などのアプリケーションでは、モノクローナル抗体がより良い解決策となります。しかし、一般的な研究用アプリケーションでは、ポリクローナル抗体の利点は、通常、モノクローナル抗体が提供するいくつかの利点を上回っています。少数の抗原標的に対する血清のアフィニティー精製により、ポリクローナル抗体の利点はさらに広がります。

 

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Posted:
13 December, 2017

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