オルガネラマーカーガイド

細胞小器官(オルガネラ)と呼ばれる細胞内の構造体を特定することは、研究対象タンパク質の局在をマッピングするための重要な手掛かりとなります。本稿では、免疫蛍光染色法で細胞小器官を同定するための主要なマーカーを紹介します。


細胞小器官(オルガネラ、organelle)とは、真核細胞と原核細胞の細胞質内に存在し、特定の機能を果たす微小な細胞内構造体です。各細胞小器官は特有のタンパク質を発現するため、それらは細胞小器官の局在や形状を反映するマーカータンパク質として使用されます。ターゲットタンパク質と細胞小器官マーカー局在を同時に解析することは、ターゲットタンパク質の細胞内局在を明らかにし、ターゲットタンパク質が関与する生物学的プロセスの探索の手掛かりとなります。

本稿では、免疫蛍光染色法(IF:Immunofluorescence)によって細胞小器官を同定する際に使用される主要なマーカーを紹介します。

目次
  1. 核マーカー
  2. 核小体マーカー
  3. 核膜マーカー
  4. 小胞体マーカー
  5. ゴルジ体マーカー
  6. 中心体マーカー
  7. ミトコンドリアマーカー
  8. リボソームマーカー
  9. リソソームマーカー
  10. ペルオキシソームマーカー
  11. エンドソームマーカー
  12. エクソソームマーカー
  13. 細胞骨格マーカー
  14. 繊毛マーカー
1. 核マーカー

核(Nucleus)は、真核細胞における遺伝情報の保存場所であり、細胞全体の活動を制御する細胞小器官です。核は多量のヒストン、様々な遺伝子発現調節タンパク質、エピジェネティック関連タンパク質を含有し、これらのタンパク質を核マーカーとして使用することができます。

ヒストンタンパク質の中でも、Histone H3(ヒストンH3)Histone H2A.X(ヒストンH2A.X)は最も広く使用されている核マーカーです。

Histon3抗体を使用した核の免疫蛍光染色
ヒストンH3抗体(カタログ番号:17168-1-AP、希釈倍率1:200)と、CoraLite®488標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(-20℃ MeOH固定)の核の免疫蛍光染色解析像

Histone H2A.X抗体を使用した核の免疫蛍光染色
ヒストンH2A.X抗体(カタログ番号:10856-1-AP、希釈倍率1:100)と、CoraLite®488標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したU-251細胞(4% PFA固定)の核の免疫蛍光染色解析像

 

2. 核小体マーカー

核小体(Nucleolus/Nucleoli)は、核内に存在する、核酸とタンパク質からなる分子密度の高い領域です。大多数の真核細胞には核小体が存在します。核小体の主な機能は、rRNA(リボソームRNA)を転写、修飾、プロセシングすることで、リボソームサブユニットを構築することです。

核小体タンパク質であるFBL(fibrillarin、フィブリラリン)、NIFK(MKI67 (FHA domain) interacting nucleolar phosphoprotein)、MKI67(FHAドメイン)結合核小体リン酸タンパク質)、NCL(nucleolin、ヌクレオリン)、NOP2(NOP2 nucleolar protein、NOP2核小体タンパク質)は、典型的かつ一般的に使用される核小体マーカーです。

FBL抗体を使用した核小体の免疫蛍光染色

FBL抗体(カタログ番号:16021-1-AP、希釈倍率1:800)、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(4% PFA固定)の核小体の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

NIFK抗体を使用した核小体の免疫蛍光染色

NIFK抗体(カタログ番号:12615-1-AP、希釈倍率1:200)、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したMCF-7細胞(4% PFA固定)の核小体の免疫蛍光染色解析像

 

3. 核膜マーカー

核膜(Nuclear membrane/Nuclear envelope)は、真核細胞を原核細胞と区別する主要な特徴の1つです。核膜は核への物質の移行や輸送に対して高度な選択性を示し、細胞内の遺伝物質を細胞質から保護しています。

Lamin B(ラミンB)およびLamin A/C(ラミンA/C)は、核膜内の主要な構成物質であり、核膜マーカーとして頻繁に利用されます。

Lamin B抗体を使用した核膜の免疫蛍光染色

ラミンB1抗体(カタログ番号:12987-1-AP、希釈倍率1:400)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(-20℃ EtOH固定)の核膜の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

Lamin A/C抗体を使用した核膜の免疫蛍光染色

ラミンA/C抗体(カタログ番号:10298-1-AP、希釈倍率1:200)と、Alexa Fluor® 488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(-20℃ EtOH固定)の核膜の免疫蛍光染色解析像

 

4. 小胞体マーカー

小胞体(ER:Endoplasmic reticulum)は、タンパク質の合成、フォールディング(折りたたみ)、アセンブリ(組立て)、修飾、輸送に非常に重要な役割を果たす細胞小器官です。また、脂質や炭水化物の代謝に関与し、細胞内カルシウムイオン(Ca2+)の主要な貯蔵器官としての役割も有しています。

Calnexin(カルネキシン)、Calreticulin(カルレティキュリン)、ERp72(Endoplasmic reticulum protein 72、小胞体タンパク質72)、GRP94(Glucose regulated protein 94、グルコース調節タンパク質94)、PDI(Protein disulfide isomerase、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ)は、主に小胞体に局在するタンパク質であり、小胞体マーカーとして一般的に使用されます。

カルネキシン抗体を使用した小胞体の免疫蛍光染色

カルネキシン抗体(カタログ番号:66903-1-Ig、希釈倍率1:400)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(4% PFA固定)の小胞体の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®555標識ファロイジン)

カルレティキュリン抗体を使用した小胞体の免疫蛍光染色

カルレティキュリン抗体(カタログ番号:27298-1-AP、希釈倍率1:200)と、CoraLite®488標識ヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(4% PFA固定)の小胞体の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

 

5. ゴルジ体マーカー 

ゴルジ体(Golgi apparatus)は、主な機能として合成されたタンパク質のプロセシング、分類(sorting)、輸送を担う細胞小器官であり、翻訳後修飾が進んだタンパク質を細胞内の特定の部位に輸送したり、細胞外に分泌します。

GOLGA2/GM130(Golgin subfamily A member 2)、GORASP2(Golgi reassembly stacking protein 2)、Syntaxin 6(シンタキシン6)、TGOLN2/TTGN2/TGN46(Trans-golgi network protein 2)は、典型的なゴルジ体マーカーです。

GOLGA2/GM130抗体抗体を使用したゴルジ体の免疫蛍光染色

GOLGA2/GM130抗体(カタログ番号:11308-1-AP、希釈倍率1:200)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(4% PFA固定)のゴルジ体の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

TGOLN2/TGN46抗体を使用したゴルジ体の免疫蛍光染色

TGOLN2/TGN46抗体(カタログ番号:13573-1-AP、希釈倍率1:100)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(4% PFA固定)のゴルジ体の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®555標識ファロイジンによるF-actin染色)

 

6. 中心体マーカー

中心体(Centrosome)は、微小管形成中心(MTOC:Microtubule organizing center)とも呼ばれる動物細胞で見られる構造体です。中心体は、細胞極性の形成、細胞内輸送、細胞分裂において重要な役割を果たします。

CENPJ(Centromere protein J)、CP110(Centrosomal protein of 110 kDa)、 Pericentrin(ペリセントリン)、Gamma Tubulin(TUBG、γチューブリン)は、中心体マーカーとして一般的によく使用されます。

CENPJ抗体を使用した中心体の免疫蛍光染色

CENPJ抗体(カタログ番号:11517-1-AP、希釈倍率1:100)と、Alexa Fluor® 488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(-20℃ EtOH固定)の中心体の免疫蛍光染色解析像

γチューブリン抗体を使用した中心体の免疫蛍光染色

γチューブリン抗体(カタログ番号:66320-1-Ig、希釈倍率1:1000)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したA549細胞(-20℃ MeOH固定)の中心体の免疫蛍光染色解析像。赤:αチューブリン(使用抗体:11224-1-AP

7. ミトコンドリアマーカー

ミトコンドリア(Mitochondria)は、ほとんどの細胞に認められる二重膜構造を持つ細胞小器官であり、好気呼吸を行う主要な場として細胞のエネルギー産生を行います。

AIF(Apoptosis inducible factor、アポトーシス誘導因子)、ATP5A1(ATP synthase (complex V) F1 complex alpha subunit 1、ミトコンドリアATP合成酵素F1複合体αサブユニット1)、COXIV(Cytochrome oxidase IV、シトクロムcオキシダーゼサブユニットⅣ)、CPS1(Carbamoyl-phosphate synthetase 1、カルバモイルリン酸合成酵素1)、HSP60(Heat shock protein 60、熱ショックタンパク質60)、Mitofilin(ミトコンドリア内膜タンパク質ミトフィリン)、Prohibitin(ミトコンドリア機能制御タンパク質プロヒビチン)、VDAC1/Porin(Voltage-dependent anion channel 1、電位依存性アニオンチャネルタンパク質1)は、すべてがミトコンドリアマーカーとして一般的に使用されています。

COXIV抗体を使用したミトコンドリアの免疫蛍光染色

COXIV抗体(カタログ番号:11242-1-AP、希釈倍率1:200)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(4% PFA固定)のミトコンドリアの免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

AIF抗体を使用したミトコンドリアの免疫蛍光染色

AIF抗体(カタログ番号:67791-1-Ig、希釈倍率1:400)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(-20℃ EtOH固定)のミトコンドリアの免疫蛍光染色解析像

 

8. リボソームマーカー

リボソーム(Ribosome)は、タンパク質の生合成を担います。リボソームの主な役割は、mRNA(メッセンジャーRNA)をその塩基配列に従ってポリペプチド鎖へ翻訳し、タンパク質を合成することです。

RPS3(Ribosomal protein S3、リボソームタンパク質S3)、RPL4(Ribosomal protein L4、リボソームタンパク質L4)、RPL7(Ribosomal protein L7、リボソームタンパク質L7)は、典型的なリボソームタンパク質であり、一般的によく使用されるリボソームマーカーです。

CoraLite®594標識RPS3抗体を使用したリボソームの免疫蛍光染色

CoraLite®594標識RPS3抗体(カタログ番号:CL594-66046、希釈倍率1:100)を使用したHepG2細胞(-20℃ EtOH固定)のリボソームの免疫蛍光染色解析像

RPL4組換え抗体を使用したリボソームの免疫蛍光染色

RPL4組換え抗体(カタログ番号:80959-1-RR、希釈倍率1:400)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(4% PFA固定)のリボソームの免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

 

9. リソソームマーカー

リソソーム(Lysosome)は、様々な酸加水分解酵素を含有する細胞小器官であり、異物を取り込み消化分解します。細胞内部の損傷タンパク質や細胞小器官を分解し、細胞外部からの侵入した細菌やウイルスに対して抵抗性を示すために重要な役割を果たします。

LAMP1(Lysosomal associated membrane protein1、リソソーム膜糖タンパク質1)およびLAMP2(Lysosomal associated membrane protein2、リソソーム膜糖タンパク質2)は、最も一般的に使用されるリソソームマーカーです。

CoraLite®555標識マウスCD107a/LAMP1抗体を使用したリソソームの免疫蛍光染色

CoraLite®555標識マウスCD107a/LAMP1抗体(カタログ番号:CL555-65050、希釈倍率1:100)を使用したNIH/3T3細胞(-20℃ EtOH固定)のリソソームの免疫蛍光染色解析像

CD107b / LAMP2抗体を使用したリソソームの免疫蛍光染色

CD107b / LAMP2抗体(カタログ番号:66301-1-Ig、希釈倍率1:200)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(-20℃ EtOH固定)のリソソームの免疫蛍光染色解析像(赤:ファロイジンによるF-actin染色)

 

10. ペルオキシソームマーカー

ペルオキシソーム(Peroxisome)は、極めて動的で代謝活性の高い細胞小器官であり、主に脂質代謝や酸化ストレスの制御に関与しています。

Catalase(カタラーゼ)、PEX1PEX5PXE14( Peroxisomal biogenesis factor1/5/14、ペルオキシソーム生合成因子1・5・14)は最も一般的なペルオキシソームマーカーです。

カタラーゼ抗体を使用したペルオキシソームの免疫蛍光染色

カタラーゼ抗体(カタログ番号:66765-1-Ig、希釈倍率1:400)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(4% PFA固定)のペルオキシソームの免疫蛍光染色解析像

PEX14抗体を使用したペルオキシソームの免疫蛍光染色

PEX14抗体(カタログ番号:10594-1-AP、希釈倍率1:1000)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(4% PFA固定)のペルオキシソームの免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

 

11. エンドソームマーカー

エンドソーム(Endosome)は、エンドサイトーシス(endocytosis)によって真核細胞内に形成される、膜で包まれた小胞(vesicle)です。エンドソームは、高分子を含む物質の選別、輸送、分解に関与します。エンドソームは、エンドサイトーシス後の成熟段階の違いに従い、初期エンドソーム(early endosomes)、後期エンドソーム(late endosome)、リサイクリングエンドソーム(recycling endosome)に分類されます。

RAB5およびRAB11は、低分子量GTPaseであるRAB(RAB:Ras related in brain)ファミリーのメンバーです。それらは細胞内の小胞リサイクル経路に関与し、エンドソームから細胞膜への小胞輸送を媒介します。EEA1(Early endosome antigen 1、初期エンドソーム抗原1)はRAB5と相互作用するタンパク質であり、両者はエンドソームマーカーとして一般的に使用されます。

CoraLite® Plus 488標識RAB5A抗体を使用したエンドソームの免疫蛍光染色
CoraLite® Plus 488標識RAB5A抗体(カタログ番号:CL488-66339、希釈倍率1:200)を使用したHeLa細胞(4% PFA固定)のエンドソームの免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

EEA1抗体を使用したエンドソームの免疫蛍光染色

EEA1抗体(カタログ番号:68065-1-Ig、希釈倍率1:3000)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したHepG2細胞(4% PFA固定)のエンドソームの免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

 

12. エクソソームマーカー

エクソソーム(Exosome)は、分泌小胞であり、核酸、タンパク質、脂質等の様々な生理活性分子をドナー細胞からレシピエント細胞へと移動させ、細胞間コミュニケーションと分子輸送を仲介します。

CD分子(Cluster of Differentiation)であるCD9CD63CD81TSG101(Tumor susceptibility gene 101 protein、腫瘍感受性遺伝子101)は、よく使用されるエクソソームマーカーです。

注意点:1種類のマーカーを使用してエクソソームを同定することはできません。国際細胞外小胞学会(ISEV:International Society for Extracellular Vesicles)は、少なくとも3種類のタンパク質(エクソソーム陽性タンパク質2種類、陰性タンパク質1種類)を検出するよう推奨しています。陰性マーカーとしては、核タンパク質であるHistone(ヒストン)、Lamin A(ラミンA)、小胞体タンパク質であるcalnexin(カルネキシン)、ゴルジ体タンパク質であるGM130、ミトコンドリアタンパク質であるcytochrome C(シトクロムc)、細胞骨格タンパク質であるcytokeratin 18(サイトケラチン18)が挙げられます。

CD63抗体を使用したヒト悪性黒色腫組織の免疫蛍光染色

CD63抗体(カタログ番号:25682-1-AP、希釈倍率1:200)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したヒト悪性黒色腫組織(4% PFA固定)の免疫蛍光染色解析像

TSG101抗体を使用したエクソソームの免疫蛍光染色

TSG101抗体(カタログ番号:67381-1-Ig、希釈倍率1:2000)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したHeLa細胞(-20℃ EtOH固定)の免疫蛍光染色解析像

 

13. 細胞骨格マーカー

細胞骨格(Cytoskeleton)は、マイクロフィラメント(アクチンフィラメント)、微小管、中間径フィラメントで構成されるネットワーク構造です。細胞骨格は、細胞形態の支持、細胞小器官の組織化、分子輸送、細胞分裂、細胞シグナル伝達の補助等の様々な役割を担っています。

Alpha Tubulin/Beta Tubulin(αチューブリン/βチューブリン)、Vimentin(ビメンチン)は、それぞれ微小管構造および中間径フィラメント構造の構成要素であり、細胞骨格マーカーとして高い頻度で使用されます。

αチューブリン組換え抗体を使用した細胞骨格の免疫蛍光染色

αチューブリン組換え抗体(カタログ番号:80762-1-RR、希釈倍率1:1000)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したC2C12細胞骨格(4% PFA固定)の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

βチューブリン組換え抗体を使用した細胞骨格の免疫蛍光染色

βチューブリン組換え抗体(カタログ番号:80713-1-RR、希釈倍率1:500)と、CoraLite®488標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体を使用したC2C12細胞骨格(4% PFA固定)の免疫蛍光染色解析像(赤:CoraLite®594標識ファロイジン)

 

14. 繊毛マーカー

繊毛(Cilia)は、進化的に保存された毛状の細胞小器官です。繊毛は、細胞表面に突出し、微小管で構成されています。繊毛は、機械的刺激の感知(メカノセンセーション)、機械的刺激のシグナル伝達(メカノトランスダクション)、組織の恒常性、動物の胚発生等において重要な役割を果たします。

ADCY3(Adenylate cyclase 3、アデニル酸シクラーゼ3)、ARL13B(ADP-ribosylation factor-like 13)、IFT20(繊毛内輸送体20)、IFT88(繊毛内輸送体88)、Acetylated Tubulin(Lys40)は、繊毛マーカーとしてよく使用されます。

IFT88抗体およびアセチル化チューブリン抗体を使用した繊毛の免疫蛍光染色

IFT88抗体(カタログ番号:13967-1-AP、希釈倍率1:50)とAlexa Fluor® 594標識AffiniPureヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体、アセチル化チューブリン抗体(カタログ番号:66200-1-Ig、希釈倍率1:50)とAlexa Fluor® 488標識ヤギ抗マウスIgG(H+L)抗体を使用したMDCK細胞の繊毛の免疫蛍光染色解析像

 

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