特集 : 免疫細胞マーカー

免疫細胞のマーカー抗体を紹介

免疫細胞のマーカー抗体を紹介

背景

ヒト免疫系は、毒素やウイルス感染、細菌、寄生虫から身体を保護するために働く様々な細胞種や分子の集合によって構成されます。免疫学は、この複雑なネットワークのあらゆる側面を含みますが、本分野は免疫細胞によって統合されます。免疫学の中心的なポイントは、多くの異なる免疫細胞に対して「理解、同定、区別」を行うことです。このことは、将来の診断と治療に不可欠なポイントです。細胞マーカーは、特定の免疫細胞集団を同定するために有用なツールです。本稿は、最も一般的に使用される細胞マーカーの選択、および免疫学に使用される広範な抗体の選択について説明します。

B 細胞(B Cells)

B細胞(bursal or bone marrow-derived cells)は、適応免疫系において重要な役割を果たすリンパ球であり、B細胞機能の破壊は多くの疾患で共通の特徴としてみられます。B細胞は、骨髄で産生され、成熟のために脾臓および他の二次リンパ組織に移動します。B細胞は、抗原への暴露中に数段階の発達を経ます。

ヒトB細胞の成熟

関連製品

抗体 カタログ番号  抗体タイプ  アプリケーション
 CD38 25284-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, WB, IHC, FC
 CD38 60006-1-Ig  マウスモノクローナル  ELISA, IF, WB
 CD138/Syndecan-1 Antibody 10593-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, IF, IHC, IP, WB
 CD138/Syndecan-1 Antibody 60185-2-Ig  マウスモノクローナル  ELISA, WB, IHC
 MME,CD10 Antibody 18008-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, WB, IP, IHC, FC
 MME,CD10 Antibody 60034-3-Ig  マウスモノクローナル  ELISA, WB, IHC

CD20

CD20は、B細胞表面分子であり、B細胞の発生の早期ステージから形質細胞(plasma cell: B細胞が分化した細胞)に最終分化する前までのB細胞発生過程で、広く発現します。CD20は、B細胞の活性化と増殖の調節に関与します。近年、自己免疫疾患等の治療のために、抗CD20抗体を用いたB細胞枯渇療法の研究が進められています。

抗体 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション
CD20 24828-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IHC, IP, WB
CD20 60271-1-Ig マウスモノクローナル ELISA, FC, IHC, WB

T細胞(T Cells)

T細胞は白血球の一つです。T細胞は、血液系で様々な機能を果たします。T細胞は、細胞異常の検出、細菌感染細胞の直接的破壊、他の免疫細胞が抗体を産生する時のサポートに働きます。そのため、T細胞は、ヒト免疫系で必須の細胞です。ヘルパーT細胞、キラーT細胞、および制御性T細胞(Treg)と名付けられた異なるタイプのT細胞が存在します。すべてのT細胞は、異なる細胞表面マーカーを発現し、異なるサイトカインを分泌します。

ヘルパーT細胞 (T Helper Cells)

抗体 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション
CCR5 11056-2-AP ウサギポリクローナル ELISA, IHC, IP, WB
CD4 17476-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, WB
CXCR3B-specific 60065-1-Ig マウスモノクローナル ELISA, WB

キラーT細胞 (Killer T Cells)

抗体 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション
CD8a 17335-1-AP Rabbit Poly ELISA, IHC
CD8b 21256-1-AP Rabbit Poly ELISA, WB

単球およびマクロファージ (Monocytes and Macrophages)

マクロファージ(およびそれらの前駆細胞/単球)は、免疫系で重要な細胞です。感染時または組織損傷時に、白血球の主要なグループの一つである単球は、急速にマクロファージに分化します。マクロファージは、体のあらゆる組織に存在する、大きな形態の特殊な細胞です。マクロファージは、標的細胞を認識して破壊します。また、マクロファージは、宿主を感染から保護するための、最初の防御機構を担います。

抗体 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション
CD11c/Integrin Alpha X 17342-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IHC, FC
CD11c/Integrin Alpha X 60258-1-Ig マウスモノクローナル ELISA, IHC, WB
CD14 17000-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IF, IHC, WB
CD206 18704-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, FC, IF, IHC, WB

顆粒球(Granulocytes)

顆粒球は白血球の一種であり、全白血球の約60%を構成します。顆粒球には、好塩基球、好酸球、好中球の3種類があります。すべての顆粒球形態は、ウイルス粒子、細菌、その他の寄生虫を摂取する能力を持ちます。そのため、顆粒球は、外来分子を消化するための酵素が含まれる大きな顆粒を含みます。

好塩基球 Basophils)

好塩基球は、顆粒球のサブグループです。好塩基球は、主に寄生虫に対する防御とアレルギー反応に対する応答に関与します。

好酸球(Eosinophils)

好酸球は、他のすべての顆粒球形態と同様に、寄生虫を破壊します。また、好酸球は、毒性タンパク質を産生し放出する、炎症誘発性の細胞でもあります。したがって、好酸球もアレルギー反応に関与します。

好中球 (Neutrophils)

好中球は、血液系で見られる最も一般的な顆粒球細胞タイプです。好中球は、細菌感染症または他の急性炎症に対する最初の防御機構を提供します。

樹状細胞 (Dendritic Cells)

樹状細胞(DC)は、T細胞応答の誘導、遊走、抗原の捕捉等を含む初期免疫応答の誘導に重要な、強力な抗原提示細胞です。樹状細胞は、異なる組織に見出され、未成熟の形態もまた血液中に見出されます。未成熟の樹状細胞は、分化および異なる組織での活性化後、抗原を取り込み処理するようになります。一般的に、活性化した樹状細胞はリンパ組織に移動してT細胞またはB細胞と相互作用します。

抗体 カタログ番号 抗体タイプ アプリケーション
CD21 24374-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, IHC
CD23 18642-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IHC, FC
Clusterin 12289-1-AP ウサギポリクローナル ELISA, WB, IP, IHC

マスト細胞 (Mast Cells)

マスト細胞は、白血球の一種であり、アレルギー疾患や自己免疫を媒介する役割で最もよく知られています。一方で、病原体に対する防御でも重要な役割を果たしています。マスト細胞は、体の大部分の組織、特に皮膚や腸のような外部環境と接触している領域で見られます。未成熟の形態のマスト細胞は血液中を循環します。マスト細胞は、いくつかの炎症性因子、脂質メディエーターやその他多くの因子を含みます。刺激に応答してマスト細胞は脱顆粒し、異なるメディエーターを放出しすることで、宿主の自然免疫系を調節します。

 抗体  カタログ番号  抗体タイプ  アプリケーション
 CD33  17425-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, WB, IHC, IF, FC
 Integrin alpha-4  19676-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, IHC, WB
 Integrin beta-1  12594-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, IHC, WB
 Transferrin receptor/ CD71  10084-2-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, IF, IHC, IP, WB

CD44

CD44は、ヒアルロン酸(HA: hyaluronic acid)に対する親和性を介して、細胞間相互作用または細胞-マトリックス間相互作用を媒介するI型膜貫通糖タンパク質です。他のリガンドへの親和性によっても相互作用は媒介される可能性があります。ヒアルロン酸との接着は、細胞遊走、腫瘍増殖/進行において重要な役割を果たします。CD44は、リンパ球の活性化(activation)、再循環(recirculation)、ホーミング(homing)に関与し、造血にも関連します。

 抗体  カタログ番号  抗体タイプ  アプリケーション
 CD44  15675-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, FC, IF, IHC, IP, WB
 CD44  60224-1-Ig  マウスモノクローナル  ELISA, FC, IF, IHC, WB

巨核球 (Megakaryocytes)

巨核球は、主に骨髄で見出される、まれな骨髄細胞です。巨核球は、正常な血液凝固に不可欠な要素である血小板を産生します。血小板の形成は、巨核球のいくつかの一連の内在的リモデリングを必要とし、その結果、単一の巨核球から数千の血小板が放出されるようになります。

 抗体  カタログ番号  抗体タイプ  アプリケーション
 CD42b  12860-1-AP  Rabbit Poly  ELISA, IHC, IP, WB
 Integrin beta-3  18309-1-AP  Rabbit Poly  ELISA, IHC, WB

NK 細胞 (NK Cells)

ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫系において必須のリンパ球です。特に腫瘍細胞やウイルスに感染した細胞の破壊に重要です。NK細胞は、細胞死(アポトーシス)を引き起こす小さな細胞質顆粒を放出することで感染細胞を破壊します。

NK (ナチュラルキラー)細胞の成熟

pre-NK細胞は、例えば IL-2、IL-12、IL-15、IL-18等に応答して活性化されます。次いで、NK細胞は、いくつかのサイトカイン、ケモカイン、細胞死誘導タンパク質を産生し、分泌します。

 抗体  カタログ番号  抗体タイプ  アプリケーション
 CD11c/Integrin Alpha X  17342-1-AP  Rabbit Poly  ELISA, WB, IHC, FC
 CD11c/Integrin Alpha X  60258-1-Ig  Mouse Mono  ELISA, IHC, WB
 GZMB  13588-1-AP  Rabbit Poly  ELISA, IF, IHC, WB

赤血球 (Erythrocyte)

赤血球は、血液系において最も一般的な細胞タイプです。赤血球は、肺から身体組織への酸素の運搬に不可欠な細胞です。成熟赤血球は核を持たず、ほとんどの細胞小器官を欠いています。非常に柔軟な形状であるため、容易に血液循環系を流れます。

骨髄由来免疫抑制細胞 (MDSC: Myeloid-derived Suppressor Cells)

骨髄由来免疫抑制細胞 (MDSC) は、非常に不均一な細胞集団を形成します。MDSCは、がん、炎症、感染中に増殖するため、現在大きく注目されています。MDSCは、T細胞機能を調節する免疫抑制性サイトカインを分泌するだけではなく、ナチュラルキラー細胞の細胞傷害効果の抑制能力も示します。

 抗体  カタログ番号  抗体タイプ  アプリケーション
 CD11B/ Integrin alpha M  20991-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, FC, IHC, WB
 CD33  17425-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, FC, IF, IP, WB
 VEGFR-1/FLT-1  13687-1-AP  ウサギポリクローナル  ELISA, IP, WB

 

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Posted:
12 July, 2018

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